昨晩「飯食おう」と皆で出かけたところ、ここのところずっと閉まっていた近所の木工所が取り壊されるところだった。
金属の鋳型をつくるそのまた型が木で作られることをこの木工所を覗くようになってから知った。
「昭和の名工」のようなじいちゃんがいて、何に取り付けられるのか分からないようなでかいエンジン様のものの型なんかをよく作っていて、職人さんも何人か、夏の休憩は扇風機の前で、冬のお昼はだるまストーブを囲んでと、街路樹が緑を増したり枯れ葉を落とすのと同じように街の風景の一部になっていた。
聞くところによると、鋳型のそのまた型を作るわけだから寸分の狂いがあってはならず、生きている木でそれを作るというのは至難の業で、そのじいちゃんは国宝級の職人さんだったそうである。
じいちゃんが引退したら木工所も閉鎖というのは結局その技なり業なりを引き継げなかったわけで、時代という言葉でかたずけてしまったらそれまでだが、生きている自分たちの課題のようなものをちょっと罪悪感を持ちながら感じた。
何でもかんでもテメエのこととオーバーラップさせるのはなんだなと思うが、
小さい声で「丸胴、がんばれよ」と。
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