今日、なんとなく日向に出て「あったかーい」と言っている自分にあれ?って思いました。数日前までは暑い暑いと涼風を探してたのに・・・あっという間ですね。
最近リリースしたアイテムの素材についてちょっとくどく説明します。
まずは「720」ネルシャツ。
今回のネルはトゥームーンでは初めての生地厚です。
2009年に制作しだして2012年までは縦糸に引き揃え(2本取り)、横糸は通常の1本取りで打ち込みの甘い綾織りの生地で縦がちのチェックを作っていました。柔らかくてやや薄めの軽い生地。
これはアメリカの古着の良さを再現したくて、柄だけではなく古くなって馴染んだ着心地とかも生かしたものを作りたかったからです。
その後2013年、14年は縦糸も横糸も極細の引き揃えの平織りで細かいヘリンボンベースの、微妙な色味、柄のチェックを作ってみました。
薄くて羽織りやすい、ネルシャツには少し珍しいタイプかと思います。
で、今年の制作仕掛かり時に出た会話。
「ヘリンボン、いいんだけどネル感がもう少し欲しいよね」
フランネルシャツってもう少しこう、ふわっと厚みの感じる?その辺が欲しいと。
こう書くと、以前作ったものを否定してしまうようでとても心苦しいのですが、前のは前ので良かったんだけど、新しく作るにおいては!ってことです。
そこで今年の生地の構造はヘリンボンベースを生かして、糸の太さを12年以前と同じに戻しました。
ただ、ヘリンボンを編むには縦糸と横糸が同等じゃないとダメで、縦横共に2本引き揃えの糸を使用しています。
よって、密度の高い(甘くない、ややぎっしり)ものに仕上がっていると思います。
今まで書いた数十行を簡単に言うと、「今年のは今までの中で一番厚く感じる生地」なんです。(早く言えよって?)
ヘリンボン柄だけでなく、2本引き揃えだからできる発色の面白さも追求してます。2本取りの1本ずつの色を変えて、ミックス糸をところどころに入れて色幅を広げています。
霜降り調に見えるところを探してみてください。
単色の糸のみで織るよりもやはり深い色調が出せてると思います。
テキスタイル、深い深い世界です。
今年のネルは柔くなるまで着て、洗って、自分で古着感を育ててくださいね〜!
長くなってしまったので、もう一点10191のライトウエイトスウェット生地についてはまた明日。
(さよなら?さよなら?さよなら?って?また見たいなあ、あの人)
今夜からおでんでも仕込もうかな。
∞∞∞frogscroak∞∞∞